30 Nov 2009

雨やどりパブ

ロンドンは今日も雨。
昨日は相棒のイモリ氏と雨が降ったり止んだりする中散歩に出かけました。
散策した地域はDenmark Hill。我が下町からバスで10分ほどの所にある、大きい大学病院がある街です。何回もバスや電車で通り過ぎていて知っているようでも、実際に脇道を散策してみると色々な小さな発見がありますね。 


今回一番の発見はこちら、パブPhoenix






国鉄のDenmark Hill駅の駅舎の一部が改装されたパブ。駅舎は1800年代のものらしいですが、パブが出来たのは1980年の駅舎の火災以降。歴史は古くないけれど、線路の真上に位置して、電車が通る度にがたがたと揺れ、オリジナルの駅舎の鉄骨と時計もそのまま残っていて、何とも雰囲気があるパブでした。少々トレンディー若者向けという感じ。パブは雰囲気が大事でね…で酒は、というとトイレを借りてソファに座っていただけなのでわからずじまいです。(あ、ここもポイントですね。トイレを嫌な顔をせずに貸してくれるパブはいいパブ。きっと。何せロンドンは公衆トイレが少ないので、その辺はパブ頼みということで、勝手に判断しています。)今度ちゃんと飲みに行こう。

29 Nov 2009

星野道夫の暮らし方

日本ではロンドンに帰ってくる直前まで村上春樹の「ねじ巻き鳥クロニクル」を読んでいたのですが、結局全部読みきれず。母親の本だし持ってくるのあきらめました。そして飛行機の中で読む本は何かないかな、と本棚を見てみると星野道夫の遺作「ノーザンライツ」が目にとまったので、これにしようと。





結局帰りの飛行機に個別用スクリーンがついていなかったので(今時!)、この本を読んで、寝て、12時間を過ごしました。


我が家は父親が星野氏の本や写真集を沢山持っていて、中学生の頃から読んだり、Switchの記事を目にしたりしていたのですが、その頃は特別何を感じるといったことはなく、特にエッセーの方はいつも半分までパラパラ飛ばしながら読んで後は退屈になってほっぽり出す、という感じでした。自分からというより影響されて好きだと思ってたのかな。「ノーザンライツ」も以前読み始めたことがあるのですが、なんとなく途中でつまらなくなって全部読み終えなかった本。今回はどうゆうわけか、もうその頃から8年ほど経っているし、自分の生活も変わって、ずいぶんのめり込んで読みました。


何ともいいなあと思うのは、日本人の星野道夫がこれだけアラスカを愛する人たちから話を聞いて行ったという過程と、彼らとの人間関係かな。ただ日本からちょこっと訪ねて取材するだけじゃできないことです。彼がアラスカの地に定住して、地域にとけ込んで、彼らと親しくなって、みんなが話し始めて、実際に彼も経験して、書き留めてっていうゆっくりな過程が読み取れて素敵だなあと思うわけです。星野氏が約束するでもなく 友人のジニーとウッドの家にぶらりと訪ねては、お茶を飲んで、パンをかじって、時に彼らの昔話を聞いて…スローライフ。


私はイギリスに7年前来たばかりの時は「もう日本はやだ、住みにくい。」「イギリスに住む」と偉そうに少し思っていましたが、最近はちゃんとその地に馴染んで自分の居場所を築ければどこでもいいのかな、と思います。東京のどまんなかにいても、バングラデシュの農村でも、ロンドンの下町でも、自分のやることがその地にあって、地域にとけ込んで、その地の先輩に昔話を聞いて、独自の風習を楽しんで、っていう暮らしをしていきたいです。それでいて初めてその土地を楽しめるってことでしょうか。



長々と読んでくれてありがとうございます。
写真は今日のお昼に作った、クスクスのレモンとケイパー和えとバターナッツ南瓜とレーズンとシナモンの鶏肉煮込み。完全創作でしたが、おいしかった。







28 Nov 2009

マーマイトよ永遠に…

緊急のり巻きクッキングのお陰ですし酢も全部使ってしまったので、はるばるPiccadilly Circusまで日本食材の買い出しに行っていたんです。
なにせ下町暮らしに慣れてしまっているので、Piccadilly Circusなんてきらびやかすぎて、着いたとたん「アーもう帰ろう」と思ってしまう私。


買い物をさっさと終えてさあバス停に…と歩いていると!!!!!!!!!なんと出会ってしまいました!





マーマイト。
オープンしてから3週間というマーマイト専門店でした。お馴染み瓶詰めのマーマイトはもちろん、「マーマイトの歴史」「マーマイトお料理ブック」「マーマイトコーヒーカップ」「マーマイト鍋つかみ」「マーマイト水筒」「マーマイト味のビスケットやポテトチップス」などなど、2階はマーマイトカフェになってマーマイトトーストを2ポンドで出してました。ちょっと高すぎですね。はい。ちょうど運良く現金を持ち合わせていなかったので、お店の誘惑にはまらずにすみました。


マーマイトはビールの製造過程で出たイーストを原料に使った世にも不思議な食べ物です。何とも言えない独特な臭みの黒くてネバネバの食べ物。イギリス人はこれを焼きたてのトーストにバターと塗って食べてます。スープのブイヨンに使ったり。ピュアなベジタリアン食材として愛用されているらしいです。明らかに塩分過剰摂取に思えますが。
まーとにかく苦みと臭みとすごい塩気で、インドじゃないけど、loveするかhateするか好みが両極端といった感じ。イギリス版納豆、またはくさやという感じですね。で、しょっぱいものに目がない私は…


完全love. マーマイトなしじゃ生きてけない♡ と思っていましたが日本にいる間一度も食べたいと思いませんでした。やっぱりイギリス人じゃないもんで全然思い入れが浅いんだわ。でも今自分はロンドンいるんだー!とミーハーにマーマイト味ビスケットを買って食べてみたけど、うーん、苦みがきつくていまいち。我がイギリス人相棒のイモリ氏はおいしそうにほおばってました。よかった。


写真はイモリ氏がせっせとやっている演劇のグループのポスターです。日本から帰ってきたばかり、時差ぼけを治すために夜な夜な(って言っても夜7時頃)作りました。ロンドンにいる人がいましたら、ぜひ遊びに来て下さい。




26 Nov 2009

のり巻きとコメントの仕方

今日は夕飯の食事当番でした。さて何を作ろうか…と思っていると (私の仕事先では二人一組で当番が回ってくるので)
シェフの相棒が、


     「sushi....」
私    「今寿司って言った?冗談でしょ?」
相棒シェフ「sushi....」


誰かに入れ知恵されたに違いない!ぷんぷん。とちょっと怒りつつ面倒くさいなーと思いつつ、お鍋でお米を炊き、東京から持って帰って来たばかりののりパックを全部使って「のり巻き」を作りました。





相棒シェフはかなりおもしろがって巻いていました。ちなみに予算上、またHealth&Safety上お刺身を使えないので、鳥のからげやら茹で海老のマヨネーズ和えなどをせっせと巻いてみました。好評でした、多分。急いで巻いたので、巻き具合もがたがたでそれぞれ個性が出ていますねえ。ほほほ。


さてさて私のブログですが、コメントを投稿できないという問い合わせが相次いだので、設定状況を見たらGoogleIDが必要と言う設定なってました。さっき設定を変えたので誰でもコメントできるはずです。Comment as: の部分は'Name/URL'を選択し、お好みの名前を入れてくれればURLは空白でいいみたいですね。私他の人のブログに書き込んだことなど一度もない超初心者でして。何か不都合あるようでしたら、ご指摘ください!研究して行きます。




24 Nov 2009

IKEAメランコリー

仕事に戻った第一週目の休日、行ってきました、IKEAに。
がんばって気丈にさっさと買い物を済ませようと思ったのに、やっぱりIKEAメランコリーにかかってしまいました。


IKEAに行ったことがある人はよくわかると思いますが、入ったら最後、支払いのレジに辿り着くまで最短距離を走っても約10分くらいはかかるのです。その間ありとあらゆる、本当に必要ではなさそうだけどあったらほんの少し便利(?)で、しかもお手頃価格の商品の前を通らせて、お手軽に物を買わせよう…というIKEA側の魂胆ね。


まあ値段も安いし、デザインもかわいいし…いいじゃん…と思っていられればいいんだけど。


でも私はイギリス中、いや世界中の家々がIKEAの家具と小物で埋め尽くされる近い将来を想像すると、それだけで鬱状態になるわけです。
IKEAの世界征服だ!いやだー。みんな一緒というのが、どうも気持ち悪い。東欧の共産時代の全部間取りが同じ灰色の集合住宅、という感じです。


イギリスではよくいらなくなった家具を道端に出して「欲しい人勝手に持って行ってください…」というのをやりますが、物色してみると本当にIKEAの家具が多い!粗大ゴミ置き場もIKEAのものばかり。みんな買って捨ててばっかり! ああ悲しい。イギリスは確か、物を大切にする国だったよねー。


ちなみに私と友達は電球一箱に、ネズミグッズを集めているベルギー人友達にネズミの小さいぬいぐるみを買って帰ってきました。(これだけ文句を垂れながらやっぱり買ってますねこの人)
どっと疲れました。最初っから行かなければいいだけのことですね…。
行ったことがない人は是非一度試しに遊びに行ってください。食べ物も安いです。家具は大変壊れやすいです。

23 Nov 2009

ブログの始まり…

東京から新たなビザを片手に、7年目のロンドンに戻ってきました。
相変わらずさびれた南ロンドン。よくイギリス人が 'shabby'(=よれよれの、みすぼらしい、ぼろい等)という単語を使うけれど、本当にshabbyさを身にしみて感じるこの町。

成田空港は… 『きらきら』
乗り換えたアムステルダム空港は… 『まあきらきら、ちょっと暗めどよーん』
到着したロンドンヒースロー空港は… 『暗。どよーんどよーんどよーん。』

しかも着いたとたん、豪雨。車のお迎えポイントはちょっと水没していました。

まあこんなものです。だいたいいつも。
心は明るく、ブログに日々の思いを綴って行きたいと思います。 
よろしく。