24 Nov 2010

水商売の危うさ…とそれと健気に戦う方法

配管工も、酒屋も、酒蔵も、水商売も、水回り系の商売はなかなか浮き沈み激しくて大変でしょうか。

先日「スコットランド ひきこもり日記」に英国水道局のずぼらさなるものが書かれていました。それで思い出した、封印された休暇直前の出来事をここに書いてみたいと思います。全てノンフィクションであります。長いです。


水曜深夜
萌:何か殺気を感じ地下ボイラー室を開けてみる。
ボイラー室中天井から温水の雨が…。水漏り発見。

萌:「水漏りです!激しいです!一刻も早く来て止めてください」
テレフォンオペレーター1(この家を管理する会社はとても大きいのである):「えーそちら雨降ってる?」
萌:「冗談行ってる暇ないのよ、お兄さん。あのね、水漏れ!水漏れなの!」
テレフォンオペレーター1:「いえ私真面目。これは真面目な質問です!そちらは雨降ってますか?」
萌:「降ってナーーーーイ。早く修理お願いします。」
テレオペ1:「えーーー、うーーー後3時間後に誰か行きます」

夜中3時
配管工1;「あーこれやばいねー。すごいねーこれ。でもこれどこから漏れてるかわかんないや。」(何か色々たたいたり、開けたりすること1時間)
配管工1:「これねー、一階トイレの床下が臭うね。すごい怪しいね。ここから漏れてるかもね。でもね床上げなくちゃ行けないから、俺っち一人で出来ないや。明日の朝誰か来るように手配しとくから。」
萌:(いやな予感…)寝ずの番でバケツ6つにたまる水を捨てる係 

木曜昼
萌:「ちょっと!誰か来るはずなのに誰も来ないじゃん!水漏れです。どうなってんの?」
テレオペ2:「あー水漏れですか。誰か来るんですかねえ。こっちの記録にないけど」
萌:「怒。とにかく誰か送って水漏れ止めてくれぇぇぇ」

木曜4時
やっときた配管工2:「あーこれやばいねー。すごいねーこれ。」と昨晩と同じ確認作業を1時間。
配管工2:「これねートイレの床下が臭うね。すごく怪しいね。ここから漏れてるかもね。床上げなくちゃわかんないや。」
萌:「イライラ。だから言ってるじゃん!そんなの周知の事実だよ。さっさと床上げて止めてよ。」
配管工2:「うん、ボスに聞いてGOサイン出たらやるよ。」(1時間後、やっと床を上げ、水漏れ箇所発見)
配管工2: 「あーこれセントラルヒーティングのパイプ!。俺の管轄外。ガス屋じゃなきゃ駄目だよ。ごめんね。ガス屋来るように、手配しとくから。じゃーねー。」

と言った所でもちろんガス屋など来るはず無いのである。寝ずのバケツ番2晩目。

金曜朝
萌:「怒怒。ちょいと、ガス屋が来るはずになってんだけど。どうなってんのあんたんとこ。水漏れ3日目だよ!」
テレオぺ3(やる気の無い男):「あー、そうだっけ。ああ、なんかそんな事書いてあるね。」
萌:「だからうちらはもう半日以上待ってるんだよ。いつ来るの?」
テレオペ3:「あー予約入ってないから今日は来ないと思うよ。」
萌:「怒怒怒怒。何で予約入ってないんだよ。昨日から3回も電話してるじゃん。説明しなさい、あなたここで。」
テレオペ3:「あーうー入ってないから入ってないんだと思う。(←開き直ったこの人)」
萌:怒爆発…記録不可能
テレオペ3:「あ、ボスに変わります。(逃げた…)」

結局土曜日4時
ガス屋到着:「うへ、こんなひどい水漏れ4日も直さなかったの?何やってんのあいつら?ばかじゃない?」(同じ台詞をあんたに返したい…)
ガス屋(5分後):「直ったよー。終了。俺急ぐから。あんな会社から家借りるの辞めた方が良いよ。やばいよあそこ。(自分の雇い主なのに捨て台詞…)じゃ。」

10分後
ガス屋が止めた水漏れパイプの隣のパイプから今まで以上の量の水が漏れ始める(まるで漫画のよう…)。噴水が出来る。一階と地下階の中間部分完全水没。建築木材が壊れ始めるが、ガス屋2が今度は1時間で到着し、水漏れ物語終了。

次の週から果てしなく長い「水漏れダメージ部分の修理依頼」電話催促が始まるが、私が日本から帰ってきた3週間後、何も変わってませんでした…。でももう水が漏れてないだけで、いいです。力を全て使い果たしました、私たち。

何て言うか、大きい会社の中でコミュニケーションというものが全くもって成り立っていないんですね。責任者と話しても同じ結果です。普通の民間の業者に直接頼んで修理する方がよっぽど早いのでしょうが、私たちの大家Family Mosaicは傘下にOsborneという大建設修理業者を抱えるマンモス企業で、すべてのメインテナンスは同企業内で行われる。だから結局は渦中の被害者がどれだけしつこく、しつこく、しつこくこのマンモス網の中を催促し事件を追廻し続けるか…で色々決まってくると思います。でも私たち顧客だし。何で顧客にここまでやらせといて平気なのか。一応この水漏れ物語りの代償として家賃減額の嘆願書を出したのですが、それもどうなったのやら。怖いので聞きたくない。

でも、素人の私が見てもかなり廃れているこの会社、どうやって経営が成り立っているのか。それが成り立つというのがイギリスか。
悲しい。

21 Nov 2010

しつこい人たち

休暇に行く前から我が家の台所に闖入者がいて、まあほっとけば帰ってくれるだろうと思っていましたが、甘かった。


全然居なくなってくれないばかりか、より多く繁殖してた小バエたち。英語でfruits fly。
衛生的にというより、プーンとうざいのでそろそろ積極的に退治しようか考えています。


小バエが発生するパターンとしては、だいたい露天の八百屋で買ってきた果物にくっついてきて(イチゴ、桃など特に)、そのまま台所に居座るというパターンでしょうか。だいたいは青果物を冷蔵庫に隠してゴミ袋をマメに変えればいつのまにか居なくなるのに…なぜか今回はやけに長居してます、この人たち。多分外に引っ越してももう冬であんまり食べるものが無いからだろう。


果物やパンを食べていると「ウニャーン」と寄ってくるので、そろそろ引っ越し対策をして貰いたいと思っています。(ちなみに小バエはパンに入っているイーストが大好きなんだそうな。知らなかった。)調べた所に寄ると、昔ながらのハエ取りテープが一番効果的だとか(全然引っ越しではない…)。早速買いに行こう。イギリスってネズミもカタツムリもミミズもナメクジも沢山いるので、こうゆうものも多分どこでも手に入るだろうと思われます。東京の実家だったら東急ハンズとかシャレた所に行かない限りそんなものはないでしょうかね。それとも普通の薬局で売っているかしら。


ちなみに他の環境に優しい退治方法としては
ドライヤーの後ろから吸い取る(電熱線で焼け死ぬらしい…でもその後、そのドライヤー使いたくないよね)
果物トラップを作る(透明なボールに穴の空いたサランラップ)
オーブンの中で扉を開けたままバナナを熱し入れみんなが集まってきた所で扉を閉めて300度で焼く


などらしいです。おそろし。これを書いた人は小バエ退治に異様な情熱を傾けていますね。


こんなことを書いていると、我が家は小バエが飛び交う超非衛生的な場所という感じもしますがそんな事はありません。ちゃんと掃除の行き届いたきれいなお家です。でもやたらと外からの闖入者は多いけど。特にナメクジ。鈍そうに見えて、結構色んな所についてくる彼ら。
この前は友達のリュックサックに何故かくっついてきて「わー」。
そしてその前も夜中に台所に行くとすでにそこには巨大ナメさんが床のど真ん中に「わー」。


そして今ではもう冬眠?していませんが春先や秋には夜になると湿った歩道を行き交うカタツムリ達。冗談じゃなく何十匹と居ます。よーく目をこらして歩かない限り、グシャとなるね。
ロンドンは大都会でも土がたくさんあって良い事だ。
狐もリスもカタツムリも人間と仲良く。でも小バエは…。

18 Nov 2010

よーろよろ

暗く、寒く、さみしー木枯らしが吹くロンドンに帰ってきました。
帰ってきてあー東京って本当にうるさい所だ…と実感。(そしてロンドン静か)
丁度休暇の最終日に有楽町、渋谷などで買い物をしたので余計でしょうか。特に有楽町のビックカメラに入った時にはうるさすぎて、目が回って汗が吹き出た田舎者です。

休暇中色々な人に精力的に会いに行きました。
みんなとんでも勘違い野郎・今の話題に付いて行けてない萌さんに優しく今日本事情を教授してくれました。ゆるキャラって「たれパンダ?(もう相当古いらしい…はは)」とか森ガールって何?とか言っていたり、デコメと聞いてなぜか 福島県の赤ベコを想像してしまったり(何か響きが似ているような…)、地デジは「血出痔」にしか聞こえない私に、辛抱強く説明してくれた方々どうもありがとうございます。もし私が来年日本に帰ってきたらその時にはぜひ社会に復帰するために特別授業をしていただきたいです。メールの打ち方とか。コンパの出方とか(そういうもの自体あるんでしょうか…)。飲み屋で割り勘もしくはおごる方法とか。大人な買い物の場所とか。何せ最後に日本に居たのは18歳、高校生の時。ちょっと浦島太郎になりかけ。

そんな楽しい東京を後に火曜の朝ロンドンへの道を踏み出した私ですが、成田で飛行機が遅れ6時間待ち、フランクフルトで1時間待ち、職場のリトアニア姉さんが空港に迎えにきてくれたのは幸いでしたが、その後ロンドンまでの高速閉鎖で大渋滞、などなどをくぐり抜け、実家を出てから28時間後ぐらいにやっと我が家に到着。
しかもその後風邪の症状が出始め夜は時差ぼけで3時間しか眠れないという事態に、先ほど鏡見たら顔が土色でした…。今午後3時。とてつもなく眠りたいのですがそうするとまた夜眠れなくなりそうで起きている最中です。関節痛い。よーろよろしながら作った生姜粥がうまかった…。

さて火曜日には成田で乗るはずだった満席のエアバスが故障?したため6時間立ち往生しましたが、おかげで色んな格好いいサラリーマンと色々話題が弾み楽しかったです。
みんなとにかく最初はいらいらして可哀想なANAの地上職員にあたっていたりしたのですが、もう駄目だと諦めがついてしまえば、これからの旅の友。みんなでおしゃべり開始です。(何せチェックインだけで3時間近く並んだ)そして貰ったお食事券を片手に寿司屋で時間をつぶすという不思議な朝でした。
NY出身のスイスで働く三島由起夫好きアメリカ人や、寿司屋で「ほたて握りとウニ手巻きお願いします」とか言っているコンサルタント系のベルギー人と色んな身の上話をしました。今までさほど感じた事はありませんでしたが、この時「英語しゃべれて良かった」とつくづく思いました。
でも例えば私の職場にいる知的障害の人たちは、フランス語なんて全然出来ないのにフランス人とすぐ仲良くなっちゃったりするし。それはそれですごいことだなあ。私たちは言葉が出来ない時点でさっと身を引いちゃうことは多いのにね。度胸のある、心の広い人たちです、彼らは。尊敬。




14 Nov 2010

暗い方へ

日本での休暇を満喫しています。もう明後日には薄暗くどんより灰色のロンドンへ。去年もヒースロー空港に着いた途端すごい意気消沈した覚えが。成田空港→乗り換え空港(今回はフランクフルト)→ヒースロー空港と順を追って薄暗くなって行くかんじでしょうか。でも噂によると仕事は土曜日までなぜか休暇が続くそうで…うれしいなあ。


今回の休暇は東京、沖縄、静岡、群馬、と色々移動していました。
沖縄は、11月でどこに行っても人っ子一人いない(まあサトウキビ畑に一人、二人)空の大きい外国でした。初めての島体験。マングローブが見られてうれしかった。マングローブの近所でなぜかふくろうにも出会いました(野生じゃないけど)。ヤギを食しました。猫にも沢山出会えました。


そんな中たまたまポスターを見つけて訪れた比嘉康雄氏の写真展「母たちの神」(@沖縄県立美術館)には頭の中をぐるぐるとかき回されて、インスパイアされてきました。
比嘉氏が70年代、90年代の八重山諸島や奄美諸島の祭祀を撮ってきた作品の集大成でしたが、全くもっての未知の世界に衝撃を受けました。自然と信仰と人間が女性を仲立ちに行ったり来たり…。
見ている間に頭の中でいろいろとダークな世界が広がりました。なぜダークなのか、よくわからないんだけど、色々な世界が混ざり合った不思議な空間が展開しているかんじ。下のパンフレットを見てくれればわかるかも(?)しれませんが、人間とか自然とか神様がそれぞれの別々の世界に落ち着いていないで、活動的に行ったり来たりして交わっている感じなのですが。
私の頭の中にはもともと、人間猫とか、鳥人間とか、木と一体化した人とか、魚人間とか、ちょっと変わった人たちが住んでいるのですが、この写真展を見に行き、その人口が増加してきたので、もっと吐き出して行こうかなあと思っています。



私のイラストはある人によると、陰と陽の「陽」の部分らしいのですが、実は陰の、ネクラな、ダークな方向にもすごく興味があってそちらももっと出してみたいな…。たまたま一緒に働いている詩人がまた不思議なダークな作品を書いていて、コラボレーションする話もじわじわあるのでぜひそちらも始めたい!(彼女の作品には鳥を捕まえて洋服を作っているおばあさん等が出てくるんだけど)。




そんなわけで制作意欲を沢山もらった、日本での休暇。問題はこれをいかに持続させるか…です。
それはもとより、沢山の友人に再会し、励まされました〜。後一年のロンドン生活充実させようと思っております。