20 Feb 2010

ローカルで何が悪い!

何たる寂れた下町よ…我が共同生活の舞台…と、いつも嘆いていますが最近になり、実は私の住む南ロンドンの下町は結構優れものなのでは、と思うようになりました。ロンドンの中心から離れ、家賃もそこまで高くなく、大きなチェーン系巨大ビジネスを魅惑しない土地柄が独特に発展したのかな、と勝手にうんちく語っていますが…。


とにかく地元のローカルビジネスとチャリティーばっかりなのです。もちろんチェーン店スーパーはありますが、その他に肉屋、魚屋、花屋、八百屋、farmers' market, 図書館、オーガニック食料品店、薬局、家具屋、印刷屋、園芸品店、雑貨屋、とローカルビジネスがちゃんとそろっている。ローカル本屋さんは7分歩いたところに…。高校付属のスポーツジムもあり、なんだかんだ言いつつ暮らして行くのに便利な所なのかしら、と最近思い始めた次第。私の地元東京では、ほぼ全部チェーン系と駅ビルで成り立っているので、こんなローカルぶりはなかなか見られません。はい、日の出も見たことなかった(高尾山に登るまで)都会ッ子でして。


料理当番の日は必ずスーパーに行く前に八百屋さんで買い物、お庭の植木も花屋さんで…しばらくそうやっているとお店の人とも仲良くなれるのでなかなか良いです。最近のお気に入りは印刷屋さん。SRAという精神障害者に雇用機会と職業訓練を提供するチャリティーが経営している印刷屋。私の作品の印刷に利用するのですが、色々注文着ける私をカウンターの後ろまで入れてくれてスキャンやら印刷やらしてくれる。この前は作品をたいそう気に入ってくれて、近くに新しくオープンするギャラリー(またローカルビジネス!)のオーナーを紹介してくれました。展示できるかなあ、いつの日か。
印刷終了。


もう一つのブームはemmausが経営するリサイクル家具屋。これまた世界中にあるホームレスのためのグループホームですが、私の地元では最近彼らがかなり巨大な倉庫を新しくオープンさせて、普通の家具からかなり高級アンティーク家具やらビンテージ服やインテリアまで扱ってます。日本でemmausがどういう活動をしているのかわかりませんが、ヨーロッパに引っ越してくる機会があったら、ぜひemmausで家具を揃えてください!IKEAに行く前に。
奥にある赤と茶色の引き出しを最近購入。


そんなわけでご飯を食べることの他に、今の私のテーマは地元ビジネスを応援することです。私の地元、実はそこまで寂れてないかも。


話はそれるが、インド人同僚V君のお土産、自家製ピクルスと胡椒。う、うますぎる。でも辛い…。そして容器がいかにもインド風。

16 Feb 2010

パンケーキに泣く

今日2月16日(火)はPancake  Tuesdayです。パンケーキの日!パンケーキを食べる日!
マッチの日、とか眼鏡の日、とか業界がらみの記念日ではなくて本当にパンケーキを食べる日です。(?) 


というのも明日はキリスト教の「灰の水曜日」。復活祭までの40日間の「四旬節」が始まる日。カトリック教徒でも無い限り日本人にとったらなんぞや?なるものですが、ようするに復活祭というキリスト教の一番重要なお祝いを40日後に迎えるにあたり、日頃の行いを正し、施しの精神で、慎み深い心で日々準備していきましょう、という時期です。かなり個人的な解釈ですので、参考程度に。
「四旬節」の間は個人差はありますがキリスト教徒は肉、甘いもの、ごちそう、嗜好品を控える傾向があります。


そんな時期が始まるもんだから、一日前の火曜日は家中の砂糖とバターと卵(いわゆる昔の高級品)を使い切りましょう!最後に甘いものをたらふく食べておきましょう!となぜかイギリスでは西暦1000年頃にはパンケーキの日が始まったとかなんとか。多くの人が真面目に食べます。スーパーにはホットケーキミックス、はちみつ、チョコソース、小麦粉、ジャム、レモン果汁、とかがずらーと棚に並びます。


私は運悪く料理当番。
ひたすら、ひたすら、そしてひたすらパンケーキを焼き続けました。パンケーキとはいわゆるクレープのようなホットケーキのようなものですが、私はそれにベーキングパウダーを入れちょっと膨らむようにして、小麦粉も食物繊維豊富な全粒粉を使って、砂糖は控えめに……と色々工夫してみたのですが……なんてったって、ようするにホットケーキですよ!工夫をしようも何も無いじゃないですか!ただひたすら切ったジャガイモで油を引き、タネを流し込み、丸く広げ、裏返し、裏返し、の繰り返し(30枚ぐらい)。もうやだーーー(ちゃぶ台返し)。
みんなはモリモリ食べていらしたが、私は2枚食べるのがやっとであった。もう顔も見たくない。

日本の文明は凄いです。ホットプレートってすごい。何枚も一緒に焼けて、しかも食事しながら卓上で焼けちゃうという優れものだ!今夜の私はホットプレートが恋しくてたまりませんでした。幼稚園の頃友達の家にあったなー。我が家はホットケーキなんて食卓に並んだことは無かったけど。

地獄のパンケーキが終わり、とうとう明日は灰の水曜日。チョコレートを食べない、酒を飲まない、肉を食べない、などみんな色々目標を定めますが、私は最近始めた「ご飯」食生活を40日間続けて行きたいと思います。一日一回はかならずご飯とお味噌汁とおかずを食べ、これを3度の飯のメインとする。パン、ジャガイモ、パスタのみに頼らない食生活!健康食生活!ほっとする食生活!
私にはこれが必要だ!と最近一人で盛り上がり、始めてみました。単純においしいのでうまくいっています。だからパンケーキなんていらないのである。疲れすぎてパンケーキの写真を撮るのも忘れてしまった。

13 Feb 2010

ちょっとミーハーにオリンピックなど。

1996年にアトランタオリンピックがありました。その時小学生だった私はなぜかオリンピックにやけに凝ってしまい、ビデオを録画し、NHKの総集編を見て、雑誌を買って、スクラップブックを作り、ファンレターを出し…、となぜか今思えばJOCSのプロパガンダを純粋にまっとうするピュアな小学生って感じだった。東京オリンプック招致のために作文コンクールで入賞してロゲ会長に面会しに行く、なんてことがあっても不思議ではないくらいの熱の入れようだったのですよ!(よかった、そんなこと思いつかなくって)


時は巡り萌さんはオリンピックなんてどーでもいい、を通り越し今は完全なるアンチオリンピック人になってしまいました。14年間で成長したってことか…?だいたいね、完全なる商業主義。連なる超悪スポンサー(マ…ド、コ…ラ)。オリンピック開発に取り残される地元の貧困層。インフラ。環境破壊。税金無駄使い。国粋主義。丸見えになる経済格差。ドーピング問題。裏金問題。と言い出したらきりがないあくどいイベントなのに…でもこうゆうこと言ってると、出場している選手に失礼ですね。でもあくまで私はオリンピックというイベント自体が気に入らないのですが。


ここのお庭ロンドンには後2年で夏季オリンピックが来てしまいます!恐れ多い。市は英国的にせっせと(つまりは超のんびりと)地下鉄を延長させたりロンドン東部を開発したりしていますが、一体どうなることやら。とにかく北京オリンピックと互角で渡り合おうなどとはせず(経済成長してないんだから無理)、エコにリサイクルに経済的にコンパクトにまとめてほしいです。でも何ですかね、前のオリンピックの開催式より派手でなくてはいけないとか、ルールでもあるんでしょうか。
オリンピックが決まった2005年の翌日には同時多発テロが起こったし、テロ犯人に間違わられ市民が射殺されたり…オリンピックとなれば超厳戒態勢になることは間違いなし。2012年なんてロンドンにはいないだろうと思ってましたが、いつの間にか後2年。もしかしてロンドンいるかもしれません。でも私のことだからこんな文句を垂れつつ結局はミーハーに観戦しに行く…なんてこともありかねない。2年で人は変わる(かもしれない)し!


さてさてカナダで冬季オリンピックが始まった、とニュースを見ていたらスノーボードのドレッドの人、服装やらでかなり叩かれていますね。日本人だから仕方ないのか?反省の記者会見では鼻のピアスを取らにゃいかんのか?よくわからんです。彼の大学にまで苦情が行っているって記事にありました。ドレッドの人はへこたれないで我が道を行ってほしいです、まだ大学生だし。スポーツマンシップって大変。でもこれでもしメダルを獲ることになると、マスコミはコロッと態度を変えバラエティーやら紅白歌合戦やらに引っ張りだこ…になるんだろうか。でも紅白歌合戦審査員は絶対に似合わないと思います!はい。

10 Feb 2010

私のカード。

イースターの休暇でフランス行こー、といつもやるようにオンラインでユーロスターとフランス内のTGVのチケットを予約しようとしていた所です。さあ支払いの段階になりいつも通り私のデビットカードの詳細を入れ、決済ボタンをクリック………。

するとなぜか「あなたのカードの詳細を確認できませんでした。次のご来店をお待ちしております」ような旨のメッセージがあらわれる!なんじゃこりゃ、おかしいなーカード番号間違ったかなー、ともう一度自分が打ち込んだ詳細を確認していると…

ピルルルルルーといきなり携帯がなった!ひょー。私の携帯は滅多にならないので、これでさえ少々びっくり。しかも表示された番号は未知のもの。なんなんだ〜今忙しいのに、と電話に出ると、

「○○銀行のセキュリティー担当です。あなたのデビットカードがカード詐欺リストに表示されたので連絡させていただきました。」

なにーーーーーーーーーーーーーー!!この時点で心臓ばくばく。わ、わたしの、わたしの、汗水たらして(?)ためた米粒ほどの貯金を全て盗まれた…。金がない…。銀行の保険はどこまで効くのか…。わ、わたし、一文無し…。路頭に迷う…。と1秒の間に地獄絵がさーっと私の頭の中で駆け巡り、ううう、と英語がまともにでてこない。体が完全に固まっていく…けど心臓だけばくばくととてつもなく激しくなり…頭真っ白。

でもよくよく聞いてみると、先週末の金曜日普段使わないキャッシュマシーンで10ポンドのみお金を下ろし(しかも治安はそこまでよくはないブリクストンで夜の11時半に)、その次に今日ドバーンと3万円弱のユーロスターをオンラインで購入しようとしていた、というこの私自身の一連の行動がブラックリストに引っかかったらしい。だいたいカードの詳細を盗まれると、最初は持ち主がわからない程度にちょこっと試し使いし、その後パッとオンラインで使う、というのが詐欺のよくある手口だとか…。

いやーそれ全部私(カード主)の行動でーす。詐欺じゃないでーす。と説明したが、もう私がユーロスターのチケットを決済しようとした時点で私のデビットカードは使用停止、無効になり、次に新しいカードがくるまで約1週間かかるそうです。とほほ。まだ今週のお金おろしてないのに…。私の銀行が隣町まで行かないとないため、今完全なる現金カード一文無し状態。金がないのでバスにも乗れなーい。ははは。後でボスのリトアニア姉さんが帰ってくるはずなので、職場からお金借りよう…。

いやーでも良かった。私の米粒(いやおにぎり程度と言おう)貯金は無くなっていなかった。ほっとしてます今。

でも、考えたら怖いですね。コンピューターは私の行動をこと細かく24時間監視しているわけです。今回も電話かかってくるまで30秒かからなかったし。携帯会社も私がどこにいて、誰か話しているか全て承知だし、ロンドントランスポートは私がどこに移動したか全て承知(タッチ式の乗車券で全て記録に残ってます)。これって安全なのか一体。変な監視社会です。

でもねーいくら私が普段貧乏暮らししているからって、3万弱のユーロスター乗車券ぐらいたまには大人しく買わせてくれよ、コンピューター。そんなに敏感に反応しないでおくれ…。と思った今朝の出来事でした。
 

9 Feb 2010

Billy Elliotと淡々と過ぎる日々

少々ブログをさぼり気味です。こちら共同騒動生活では一日も休むことなく、「何か」が起こり大変っていえば大変です。私の職場では総勢100名の人が日々の生活を送って、そして働いているわけですが、100人だったら100人分の人生が色々複雑にからみ合ってるわけだから、本当に毎日何かが起こるわけです。大事件ばっかりではなくても小さいことも含めて。
一緒に働いているだけでなく、一部は共同生活もしているので、一人の出来事は周りの人を、いい意味でそして悪い意味で巻き込んで行きます。人を傷つけるともあれば、自分が傷つかされることもあるし、うざーがられることもあれば、うざーと思いつつ、幸せにしてもらうこともあるし、気づかないうちに誰かを幸せにしている時もある。そして大体いつも色んなことを学べて良かったな…と落ち着くわけです。赤ちゃんは生まれるし、人は死んで行くし…忙しい共同生活です。でも考えてみればみんなが普通に日々たんたんと生きているだけなんですけど。 


私はここに来てもうすぐ2年半です。仕事の要領を得てきて残業しないようになったのが最近うれしいです。他は2年半前に来たときから大して変わりもせず。成長しているのかしら、いったい。私が余裕で入れる洗濯機や文句垂れ垂れのAGA(クッカー)、私の半分以上の大きさと重さのダイソンの掃除機とは特に格闘しなくても、ちょちょいと家事をこなせるようになりました。「人」相手にはそう簡単にはいかず(いかない方がいい)、わんわんぎゃんぎゃん言ったり無視したりというのもありますが(毎日)、みんなから色んなことを学んでいます。 


一昨日の日曜日一緒に暮らすTさんと近所の家まで「Billy Elliot」(リトルダンサー)を観に行きました。多分もう4、5回はすでに見ていますが、最後に見たのは確かまだ高校生で日本にいた時だった。
とにかく感動したのが、私って英語上達した!言ってることわかる!わーい。と喜んでいたのもつかの間… 字幕なしで見てみるとこの映画、すごーーーーーーーーーーーーーーいF..k, C..t, T..tなどいわゆる「Swear Word」と分類される、つまり罵倒語が2時間ずっと満載なのです。ちなみに約45秒に一回の割合ぐらい。主人公のBillyは11歳の男の子です。そして彼を含め、彼の兄ちゃん父ちゃん全員swear word満載です。きざな格好つけたハリウッド俳優が洒落て(?)言うわけではないので、すごい言葉に現実味があり変な意味で心に響くのです。これにはびっくり。総勢8人ぐらいで見ていたのですが、そのうちの一人がそうゆう言葉に敏感で、最後は「Stop it-------!!!! Oi!!!  Stop swearing Billy!!!!」と泣きだす始末。じゃー見るなよ、と言いたい所だったが、まあここはそんなこと言っても仕様がない…と無視してました(また)。


そんでもって私も初めてこの映画を見て泣きました。父ちゃんがビリーをオーディションに行かせるためスト破りをし、炭坑に出かける所。映画の中の父ちゃんと一緒に「びえー」と泣いてしまいました。でも隣は「Stop Swearing!!! I don't like it!!!」と映画に怒鳴っている人がいるし、くーかー寝ている人はいるし、テレビは完全に無視してお茶の話している人はいるし…。誰も私が泣いているの気づいていない。みんなそれぞれの時間を好き勝手に過ごしている。こうゆうの、いいなーと思いました。