19 Apr 2010

いかにしてフランスパンを美しく食べるか

フランスにいる間、フランスパンが毎食出ました。
私が寝泊りしていた家には、他にも9人ほどの若いヨーロッパからの女性が居たのですが、ふと気づいたことは、「み、みんな、フランスパンを美しく食べている!!…」

私がフランスパンを食べる様子:
グワッ (くわえる)… ミシミシガリッ (かむ)… ムギュー (食いちぎる)… パンくずぼろぼろ ミシミシバリバリ (口の中でかんでいる)

ヨーロッパ人がフランスパンを食べる様子:
アム (くわえる)…  ミリ (かむ) …  もぐもぐ (食している)   


要するに、音からして違うのですよ。私は多分、食いちぎる段階ですごい顔をしているはずなのですが(フランスパンを食いちぎろうとする必死な顔を想像してみてください)、ほかの女性陣は表情一つ変えず、歯も立てず(いや、立ててるか…)、もぐもぐと静かに食べているのです。
一体全体このパンをどうしたらそんなに美しく食べられるのか、最後まで謎でした。文化の違いということで勝手に結論をつけました。私はいかにしても、日本人だから彼女たちのように食べるのは無理なのだ…と。 
でもよく観察してみると、どうやらみんなフランスパンを輪切りにせず、縦に半分に切り(パニーニのような感じ)、それをテーブルと水平になるように持ちながら、端っこから、じょじょに食べていく… という食し方が多数。そうすると、噛み切らなくちゃいけない「耳」部分が片側しかないから、バリバリガシガシ言わせないで済むのだろうか。

でもですね、問題はフランスパンだけじゃなくて、あのお椀! ご存知の方もいるとおり、フランスの田舎では何故かお椀(ごはん茶碗のような、陶器)でコーヒーやら、紅茶やらを朝ごはん時に飲むんですね。フランスには7回ぐらい行ったけど、こればっかりにはどうしても慣れません。気をつけてないと、和食のお味噌汁状態で、「ズーー」と音を立てて飲んでしまうのです。昔あった、インスタント味噌汁「あさげ」「ゆうげ」のコマーシャル状態。熱いから、音を立てて飲んだ方が簡単なのです。でも飲んでからふと気づくと、周りの人誰も音立てて無いじゃん!お椀も水平に持って、上品に飲んでるじゃん!となるわけです。

渡英7年目にしてやっと、いちいち気を配らなくても紅茶をズーズー言わせないで飲めるようになってきたかなあ、という感じなので、フランスのコーヒー茶碗への道のりは始まったばかり。
いまだ、サラダをナイフとフォークで食べるのは無理。(でも同僚の女性陣はみんなナイフでレタスを美しく切ってから口にしているんですね…大陸のヨーロッパ人です。)
この前、オレンジをナイフとフォークで食する人を見ました。美しかった。オレンジを食べているようには見えなかった。

食文化は奥深い。 

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