2 Apr 2011

4月の初め

の一ヶ月の間色々なことがありました。
とてもとてもブログなんぞ書く気になれず、さらに書く時間もなく、
結局一ヶ月経ってしまいました。

2月27日「思い立ったら吉日」状態で東京へ。友達に会い、家族に会い、おいしいご飯を食べ、
静岡の友達家族を訪ね(お客さんじゃなくて、もう家族の一員だから…)と言われ嬉しくなり、麻雀に初挑戦し、
長野の山を訪ね、一人スキーをし、伯父さん家族を訪ね、松本に住みたいなと思いを巡らし。

そして3月11日遅れた飛行機で午後一時過ぎに成田を出発。
それから12時間弱、映画を見て、ご飯食べて、うたたねして、
ロンドンに帰ってからのことを考えながら、今で思えば現実からかけ離れた空の空間にいました。
ロンドンヒースロー着陸と同時に入った機内放送。
英語で「東京の北で大地震、成田空港は閉鎖」に何が何だか分からないまま震える手で携帯をつけると、
ものすごい数の留守番メーッセージ、不在着信記録、メール。
すぐに実家にかけたものの、つながらない。
とにかく職場にかけると、もうすでに東京の実家に連絡済みでみんな無事とのこと。
それでも入国審査、荷物受け取りの1時間、ちゃんとした情報も無く やっと地下鉄に乗ると、
そこで初めて紙面の津波の報道と対面。
公共の場で涙がこんなに出るとは…Brixtonまでの道のりをずっと。
その夜はNHKを付けっぱなしにし、実家と話し、友達と話し…全然眠れない夜。
ついさっきまで日本にいて、そして今は遠く離れた、至って平和なロンドンにいる自分の体が、
落ち着かずに漂っている感じで、そのふわふわの体と頭もまた離脱しているようで、ちゃんと二本足で立てていない感覚がずっと続きました。

翌日から仕事に戻りましたが、
毎日仕事の合間に日本の報道と、BBCの報道を読み比べ、聞き比べ。実家に電話して様子を聞く、友達に連絡という日々。
「家族が無事ならそれでいいじゃない。なんでそんなに悲しんでいるの」と時には言われながら、
まわりにあまり日本人もいない孤立感、
悲しみと、不安と、混乱と、奇妙な罪悪感と、無力さがずっと渦巻いていました。

やっと最近になり、ロンドンで自分がやるべきことをきちんとやり毎日毎日ちゃんと生きて行くことが
自分の心の支えになり、東京の家族の心のちょっとした支えになり、そして周りの人たちのちょっとした支えにつながるのか…と感じるようになり、しっかりと二本足で日本から遠くは慣れた地ではあるけれど、立っております。


東京に帰る前に色々とあったあれやこれやの小さな不安も、何故か今は結構どうでもよく(あんまりどうでもよくないんだけど)
そんな不安にとらわれているよりも、今やるべきことをしっかりやろう、前向きな力に変わりました。


友達に萌は最近元気になった、そんな萌の影響で自分も元気で前向きになった、と言われました。
周りの大切の人を深く深く思っていると、
どうやらその深い深い思いが自分にも所々帰ってくるみたい。


ベルギー人おじいちゃんが被災者のことを思い、私の前で涙を流した日、
つられて涙が止まらない私を、イギリス人の知的障害者の男性が「大丈夫だよ」と慰めてくれたこと。
とてつもなくつらく悲しいことがあると、色んな人の一番心の深い部分が表面に出てくるようです。





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