大人になればなるほど、人それぞれの生き方や考え方の違いがより意識するようになり、
大人になればなるほど、自分とかなり異なる人の集団との付き合いは減る…という感じかな。
しかし、
最近ひょんなことから自分と全く違う「種類」の人たちとの不思議な付き合いが増えました。
その違う「種類」とはつまり、ロンドンインペリアル大学の学生なわけです。
インペリアル大学とは言わずと知れた「ど」頭良い理系大学。そしてその中の大学生協の山岳部の皆々様です。
今まで知らなかったんだけど山に興味がある人は圧倒的に理系が多いんだとか。どの大学生協の山岳部でもメンバーになっている学生は理系が大半、歴史専攻、文学専攻がちらりといて、経済専攻、メディア専攻、油絵専攻、なんぞはまあ間違っても一人もいない…というのが一般的らしいです。(日本はどうだろう…)
なぜか、なぜでしょうか。どちらも男性比率が高い。それから道具を使う、というのがポイントだとか。
下の写真を見れば分かると思うけど、例えばロッククライミング(エイドクライミング)一つとっても、こんな沢山のギア(この場合ほとんど飾りか…)。単純に登山するだけでも、靴、防寒具、防水ジャケット、寝袋…なんだのかんだのと凝れば凝る程おたく度を掘り下げられる「道具」が沢山。要するに「おたく度」が良い具合に「理系」と「山岳部」の両方にシンクロするということでしょうか。もう目がきらきら。
実は先月始めにスコットランドで氷の壁を登ったのもこのインペリアル山岳部と一緒でした。そして先週末シェフィールドのピークディストリクトに行ったのが二回目。
道中、山登り中、食事中、にみんな(私以外)で盛り上がっていた話題を上げると:
- 数独を独自に解決するアプリのプログラミング方法
- プログラミングの新しい言語の違いについて
- レーザーカッターの新技術についての討論
- グーグル全体のプログラミングの把握
- 新衛星の設計アイデア
- カーボンナノファイバーの将来的、宇宙での活用方法。
など。
どれだけこのグループの中で私が「異人さん。いや、宇宙人さん…」であるかは火を見るよりも明らかですね。スコットランドの時はカルチャーショックすぎてでたじたじで、食事もろくにのどを通りませんでしたが、慣れてくると結構面白いもの。さらに彼らの(私にとっては)超非現実的な話に耳を傾けるのもなかなか楽しみを覚え始めました。こんな話題、滅多なことでは耳に挟むことはないので。
日本語の「おたく」に対する、英語で「geek」なるものがありますが、インペリアル山岳部はおたく中のおたくが集まったような集団なのでまた非現実度がかなりレベルアップ。私が「super geeks’geek」といつも嘆くのに構わず、みんなgeek度を披露していました。年が若ければ若い程、世の中であんまりすれてないので、おたく度が高いのですね。好ましいおたく度です。とても純粋だなあ、と。
そんな好ましいおたく君達と山に登って、ロッククライミングしてきた私。楽しかった!自分ってとても順応性が高いんだわ、と勝手に自身をつけて帰ってきました。
宇宙人の私にも大変優しいおたく君達でした。私が芸術学部写真科卒だ、と言ったら「そんな学問があるんだ…」という顔をしていましたが。
私がクライミング中落下した時も(もちろんロープあり)みんな下から色々指導してくれて無事に上まで行けました。御陰さまで手はこんなになりましたが。